「何お前、喧嘩したいの?」

「あたしならもっと上手にあんたを騙せるのに。
あんたの下手な嘘は、あたしを傷つけるだけ」






あたしはそう言ってベランダへ出てタバコを吸いながら池田にメールした。


『明日17:00××カフェ』






覚悟はできてた。






少しすると、翔もベランダに来た。



「そんな格好で外出るなよ」

そう言ってあたしを毛布でくるめた。






「俺、カッコ悪いよな」


翔がしゃがみこむ。



「ヤキモチもあるし、自分を守りたいのもあるよ正直。

美華に嫌われたくないだけ」







翔のそんな言葉に、あたしはもう騙されない。

傷つきたくないから、信じない。






「1人になるのが怖いんだよ。
美華ちゃんがまたどこか行っちゃいそうで」



翔はそう言ってあたしをお姫様抱っこして、ベッドに連れて行った。





こんな風にされると、

信じないと決めても、信じたくなってしまう弱いあたし。







「でももう何も言わない。
俺、美華ちゃんのこと信じてるから」



翔はそう言ってあたしの上に覆いかぶさった。





「だって約束したもんな、
裏切ったら殺すって」




そう言うと翔はあたしの首に触れてた手に力を入れた。








締め付けられる。


苦しい。



「しょ……っ…」



息ができない


視界が歪む









涙が溢れる。