「おまえのこと、わかんねーよ」


翔はそう言って風呂場を出た。






あたしもすぐに上がって翔を追いかけた。


「店長とは何もないよ!
ただ、あたしがあの店で働きたくて」

「だからその理由を聞いてるんだけど」


怒ってる、翔。




「ヤキモチ?」


あたしがそう言うと翔はあたしを睨みつけた。

「って、翔、あたしに言ったよね。
マイさんのこと聞いた時。」




あたしはバスタオルを体に巻きながら言った。





「少しはあたしの気持ちわかった?

ヤキモチなんて、そんなかわいい感情じゃないから。」







翔は何も言わずにイライラしたような手つきでタバコに火をつけた。




「あんたがあの店に行って欲しくないのは、店長がいるからじゃなくて
マイさんがいるからなんでしょ?」



「は?なにそれ」



「あんたって本当に嘘が下手くそだよね。

それでも伝説のホストなんて言われるの?」




性格悪い、あたし。


言いたい放題。