それから、あたしたちはマイさんについて触れることはしなかった。
傷つくのが怖いあたしと、
何かを隠している翔。
「いってきます」
そして、今日も翔は歌舞伎町へと向かう。
マイさんがいる、歌舞伎町に。
"店長を助けてあげてよ
もう一度だけ"
ふと、マナミの言葉が浮かんだ。
今なら、できるかもしれない。
店長を救うことも、
あの看板に返り咲くことも。
翔の隣は、あたしがいい。
あたしは支度をして、
すぐさまタクシーに乗り込んだ。
向かったのは、かつてあたしが輝いてた場所。
「美華!?」
入り口付近ですぐに池田に捕まえられた。
「久しぶり、どうしたんだよ」
「ここってあたし1人でも入れる?」
「美華なら全然いいけど……飲みに来たの?」
「うん、店長指名したいんだけど」
池田は顔色を変えた。
「池田も、いろいろ迷惑かけてごめん。
でも、店長に一応許可もらってよ」
あたしがそう言うと池田はインカムで店長に何かを聞いていた。
「いいって」
「ありがと、池田」
「ねぇ、美華」
店に入ろうとするあたしに池田が呼び止める。
「やっぱこの店は美華がいないとだめだわ」
あたしは降り向けなかった。
涙がこぼれそうになったから。
傷つくのが怖いあたしと、
何かを隠している翔。
「いってきます」
そして、今日も翔は歌舞伎町へと向かう。
マイさんがいる、歌舞伎町に。
"店長を助けてあげてよ
もう一度だけ"
ふと、マナミの言葉が浮かんだ。
今なら、できるかもしれない。
店長を救うことも、
あの看板に返り咲くことも。
翔の隣は、あたしがいい。
あたしは支度をして、
すぐさまタクシーに乗り込んだ。
向かったのは、かつてあたしが輝いてた場所。
「美華!?」
入り口付近ですぐに池田に捕まえられた。
「久しぶり、どうしたんだよ」
「ここってあたし1人でも入れる?」
「美華なら全然いいけど……飲みに来たの?」
「うん、店長指名したいんだけど」
池田は顔色を変えた。
「池田も、いろいろ迷惑かけてごめん。
でも、店長に一応許可もらってよ」
あたしがそう言うと池田はインカムで店長に何かを聞いていた。
「いいって」
「ありがと、池田」
「ねぇ、美華」
店に入ろうとするあたしに池田が呼び止める。
「やっぱこの店は美華がいないとだめだわ」
あたしは降り向けなかった。
涙がこぼれそうになったから。
