「美華ってさ、俺に自分のこと話さないって言うけど美華も自分のこと話さないやつじゃん」


「うん」


あたしはただ、
自分に自信がなかっただけ。



「でも今こうやって自分の過去まで教えてくれてありがとう。
俺を元気付けてくれてんだよな」

「あんたが教えてくれたから
あたしもその気持ちに応えただけだよ」



「美華、俺から絶対離れないで。
いなくならないで。
ずっと好きでいて。」





翔はきっと、ずっと怖かったんだよね。


突然一人にされて、怖かったよね。



最初から一人のあたしよりもきっと、


恐怖を味わってきたよね。




「離れないよ絶対」






ねぇ、こんなにも愛しく

守ってあげたいなんて思ったのは初めてだよ。






もう翔が寂しい思いをしなくてすむように


あたしがずっとそばにいるよ。



あたしなんかじゃあんたの寂しさは埋まらないのかもしれないけど

いないよりはましでしょ?








あんたとあたしは似てるから



あんたの気持ち全部じゃなくても分かるよ。






ひとりぼっち同士のあたし達だから








あたしはあんたが必要で

あんたは誰かが必要。