……いつから、
いつからだろう。
あたしがこんなに嫉妬深くなったのは。
翔のこと知れば知るほど独り占めしたくなる。
「……なんで泣いてんの?」
翔はあたしを抱くのをやめた。
「別に」
「ごめん、お風呂、入ろっか」
「もういいよ、あたし寝るね」
あたしは翔に背を向けて横になった。
翔は一人でお風呂場へと向かった。
こんな風に辛くなることは、わかっていた。
それを覚悟して翔を選んだ。
一緒にいれるなら辛くてもいいって思った。
だけどたまに耐えられなくなる。
あたしの知らない香り、
翔を待つ時間。
あたしを抱くみたいに誰かのことも抱いたのかな、とか
アヤにも好きとか愛してるって言ったのかなって考えてしまう。
そもそもアヤとは本当に切れたのかも分からない。
確認しようがない。
ただの客だと言われてしまえばあたしはなにも言い返せない。
翔の仕事を邪魔できない。
