気づけば外は明るくなってきていた。


シャンパンやワインは二人で何本開けたか分からない。



ただでさえ酔っ払っていた翔はそのままソファーで酔いつぶれていた。



あたしもさすがに酔っ払っていたけど、
今日はなんだか気分がよくて、

翔が潰れてからも一人で飲み続けていた。











……家族。

久しぶりにそのワードが出てきて
家族について考えていた。




物心ついた頃には施設にいて、
物心ついた頃からあたしは親に捨てられたのだと思っていた。



実際のところ、どんな経緯で施設に入ることになったのか知らない。



中学まで田舎の施設で育ち、
中学卒業後、高校に行くわけでもなく何か目標があるわけでもなく、ただ遊ぶお金が欲しくてバイト三昧の日々を送った。

18歳になって田舎に飽きて、なんとなく上京した。

上京してすぐ、新宿を歩いていたらスカウトされて今の店に入った。




夜の世界を知り、
あたしは生まれて初めて目標ができたのだ。



一番になりたい。