「あたし、どんな翔も受け止める。
絶対嫌いにならない。
あんたがあたしをいらなくなるまでずっと一緒にいる。
だから………」




あたしは翔をギュッと抱きしめた。



「あたしの前だけでは強がらないでよ。
泣きたいなら泣いてよ、我慢してるあんたを見てる方が辛いよ」




あぁ、あたしまた泣いてる。


きっと翔はまたふざけて、
何泣いてんのって言って、話はぐらかされる。






いつものパターン。


あんたに、あたしの言葉は響かない。











「ずっとなんて、あり得ない」



思いもよらない言葉。





「美華、ずっととか永遠とか言わないで」





たまに、あたしは翔が分からなくなる。



甘い言葉をかけるくせに、急に突き放す。









「ずっとなんてあり得ないよ。

お前のその言葉信じて、もしお前がいなくなったら俺はどうすればいい?
俺……」




翔が泣いてる。



あたしは、翔の涙を初めて見た。



「いなくなんない!
信じてよ!
あたしは、絶対いなくなんない」





知ってるよ、
翔は1人が怖いってこと。
あたしも同じだから。



一つ違うのは、

あたしはあんたじゃなきゃだめだけど

翔は1人にさせない人なら誰でもいいってこと。




でももうそれでもいい。
翔があたしをいらなくなるまで一緒にいる。




翔が少しでも楽になれるのなら

あたしはそれだけでいい。








「なぁ美華」

「ん?」


「もしお前が俺を裏切ったら、
俺はお前を殺しちゃいそうだよ」




あたしを抱きしめる翔の腕に力が入る。








「親父が母さんを殺したみたいに」