家の鍵を開けるなり翔があたしに駆け寄る。



「おっせぇよ」


翔はそう言ってあたしを抱きしめた。




「抜け出してきた」

「別れられなかったの?」

「別れたいって言ったけど無理って言われた」




翔はあたしにキスをして服を脱がせようとする。



「ねぇ、もっと聞きたいことはないの?」

「ないよ」



こいつは、
やっぱり自己中で、あたしのことなんて考えてない。








「美華ちゃんが戻ってきてくれただけで十分だよ…」




その甘い声。


あたしをゾクゾクさせる。







今日もいつもと違う香りがする。

女物の香水。




誰かともこんな風に抱き合ったの?