眠れないまま朝がきた。

あたしの涙と、
きっと店長の涙で濡れた枕はまだ乾いてなかった。



隣で眠る店長をしばらく見つめてた。







店長には、こんなあたしもったいなさすぎる。



最低でずるいあたしは、
この人といるべきじゃない。


あたしなんて、愛されるべきじゃない。






あたしは、足音一つたてないように
最低限の荷物を持って家を出た。


タクシーに乗ったところでメールした。






《裏切ってごめんなさい》














あたしは、翔を選んだ。


自分の首を絞めている。


でもいい。

ボロボロになっても、傷ついてもいい。


それでも翔といたい。