朝方店長が帰ってきて、
気まずい空気はまた流れた。



「まだ寝てなかったの?」

店長が無理に会話を作ろうとしてるのがわかる。


「ねぇ、あたしやっぱり別れ
「その話はしない」


あたしの話は聞こうともしない。

「美華が好きな映画借りてきたから見よう 」

店長はそう言ってDVDを操作し始めた。



無理してるの、すっごくわかる。

あたしがそうしてるんだけど、
その姿見るの辛い。






「美華、俺はもう絶対お前のこと離したりしない。
絶対に別れない。
お前が傷つく姿見たくない。
俺が絶対あいつのことなんて忘れさせてやる。
絶対俺のこと好きにさせる。
だから…」


店長はあたしをきつく抱きしめた。


「頼むからどこにも行くな。
別れるなんて言うなよ」




あたしを抱きしめる腕が小刻みに震えてた。


きっと、泣いてるんだよね。


ごめん、全部あたしのせい。

あたしが悪い。



どうすることもできないあたしを

どうか許さないでほしい。

恨んでほしい。

憎んでほしい。

嫌いになってほしい。





あたしはこの人に愛される資格なんてない。