「美華、戻ってこいよ。」

あたしは首を振った。


「無理だよ」

「そんなにあいつに惚れてんのかよ」

あたしは何も答えなかった。





あたしはきっと、
店長の優しさを利用してただけ。


気持ちなんて、どこかに置いてきたまま。



「どこにも行かないでって言ったのに…美華ちゃん……」


翔の甘い声。

ムカつくけど、
大嫌いだけど、


好きが止まらない。



翔に抱きついたあたしは、今までずっと我慢してた涙がとまらなかった






あぁ、この腕の中。
あったかくて懐かしい。

大好きだった。


「美華……」


その声も
笑う顔も寂しそうな顔も
この腕の中も

全部、全部全部全部……全部大好きだった。




どう頑張ってもあんたを忘れるなんてできないよ。







ねぇ、翔…






このゲーム

あたしの負けだよ





「翔…好き」