《美華へ

遅くなったけど誕生日プレゼント!

改めて20歳おめでとう

欲しいものなんてないと思ったから俺が着て欲しいドレス!
来年は21着プレゼントする!

それからブレスは左につけろよ!


美華ちゃん、ひどいことばっかり言ってごめんな。
俺は店長と美華のこと応援できないから、戻ってこい》



そして一番下には、
店長と付き合い始めた日の日付。









あたしは予想通り泣き崩れた。






バカ。バカだよ、翔。




あたしが出てったあの日、
翔は戻ってきてたんだ。



あたしは何も知らなかった。

翔のこと考えずに
店長に甘えてた。







ドレスは歳の数の20着あった。


翔はあたしを応援してくれてた。




ブレスレットはきっと、
あたしの手首の傷を隠すためのもの。





翔は、あたしのこと考えてくれてた。


『1人にさせない』って嘘じゃなかったのに。






バカなのはあたしの方。



でももう今更
何も取り戻せない。


戻ってきてなんて言えない。



店長を裏切れないし
翔の邪魔もできない。



わかってる。

だけど、翔



こんなの、ずるすぎる。