まず、自分の夢は14歳で終わっていた。

自分の好きなアニメの主人公は14歳だ。

時は2200年。
荒廃した地球を棄て、新しい可能性を掛けて航海を始めた大型移民船『オスラビア』は、先発した『クニャージスワロフ』を追うように進路を冥王星に向けた。
冥王星に向かう道中、オスラビアはスペースデブリと化したいくつもの船団を目撃する。
発見したスペースデブリは公には公表されず、慎ましくも快適な生活をおくるオスラビアの住人達。
この作品の主人公であるダイナール少年(14)も、オスラビア国民学校の生徒だ。

ダイナール少年は孤児であり、アジア人に似た特徴を持っており。
また、それが大きなコンプレックスだった。
しかしコンプレックスをも跳ね返す程の負けん気と、手先の器用さで周囲から一目を置かれるようになった。

事を同じくして、オスラビアの研究班がスペースデブリの一部から変わった黒い箱を発見し、回収に成功する。
その黒い箱からもたらされる災い。
そして、ダイナール少年の出生の謎が今、解かれようとしていた。