小学校の頃、本当にある日のことだった。
社会の授業だったか。ぼんやりと受けていた。
目を薄っすらと閉じるとフラッシュバックした。
周りは、火に包まれていて、私は歩いている。
けが人が多くて私が必死に手当てしている光景が。
焼け野原になっていた。大好きだった町も。
当時、女性は戦えなかった。戦うのは男性がすること。
実際、前世での兄にも赤札が届いた。
家族も友達も無事なのかわからない。
救命セットをぶら下げて私は歩く。
死体ばかりの中、生きている人を見つけた。
その人の顔は、焼けていた。体からは血があふれ出ている。
「待ってて、今手当てしますから」
私は言った。
彼は、残っている片方の腕を私に向けながら何かを言った。
「○○○○」



