航太は彼女に会って、辛い思いをさせて悪かったと言った。
「俺は、お前のことを愛していたから、お前のことだけを考えているつもりだった。でも、それは自己満足で結局自分のことしか考えてなかったんだ。辛い思いをさせて悪かった。一人にさせてすまなかった。支えてあげられず、愛していたのに離れてしまいごめん。と…」
彼女は言った。
「私もあなたを愛していたから、自分なりの決断を受け入れることができたのよ。二人の子どもなのに、なぜ、女はいつも苦しい思いをしなければならないのかと。自分ばかりが辛い思いばかりと、自分を責め、あなたを恨んだ。でも、違ったの。あなたも苦しかったのに、ごめんなさい。悪かったと思っている。謝ってすむことじゃないことはわかっているけど…
でも、辛い選択を後悔してばかりではダメだと思ったの。あなたのためにも、赤ちゃんのためにも。自分に都合のいい考えだと思うかもしれないけど。あのね…」
彼女はカバンから赤い手帳を取り出し、パスケースに入った1枚の写真を見せてくれた。

