食人姫

「おう、やっと来たな。直人が勝浩を呼びに行ってるけどまだ帰って来ねえ」


哲也の家に行くと、哲也と源太と未来が俺達と同じように埃まみれの服で、玄関先に立っていた。


「直人と勝浩がまだか……麻里絵と夏美は?」


いつものメンバーが欠けていると、どうも気になってしまう。


「麻里絵は無理だね。儀式の準備で会う事も出来そうにないから。夏美は……まあ、手伝ってくれなかったよ」


俺の隣にピタリと付いている光が、少し悲しそうに答えた。


麻里絵はこの際仕方ないとして、夏美が手伝わないのは意外だな。


中学生の時は女子同士で仲良くしていたのに、来てくれないなんて。


「それで?手に持ってる物は何だよ」


この様子だと、皆の方は特に収穫がなかったようだな。


「とりあえず人目につかない場所に……いつも通り哲也の部屋に行くか」


「おいおい、埃まみれで俺の部屋に入るつもりか!?」


「仕方ないだろ、どこで誰が話を聞いてて、何をしようとしているのか分からないからな」


俺がそう言うと、三人は「はぁ?」と首を傾げたけど、俺が本気で言っているというのが分かったのか、哲也は渋々玄関の戸を開けた。