食人姫

ノート1ページ分の日記。


それを黙って読む俺と由奈。


数学の内容から、中学生の物だと分かったけど、俺よりも字が上手くて読みやすい。


だけどその内容は……。


「大輔君……これって……」


「ああ、間違いない。これは……33年前に儀式を行った巫女が書いた物だ」


そこには、儀式に対する恨みや、怒りなどは一切書かれていなかった。


書かれていたのは、父親から聞いたという谷の儀式の起源。


約1000年前、この谷は街道だった。


そして、山賊が出没する地として知られていた。


当時の貴族だか呪い師だかがこの地を通った時、山賊に襲われて貴族とその護衛は死に、この谷に住んでいた俺達の祖先が山に埋葬したらしい。


それが、儀式の行われる神社。


だが、それから33年毎に谷に不幸が起こる。


大量に人が死に、貴族だか呪い師だかの呪いだと恐れた谷の人は、若い生娘を生贄に捧げて、その難を逃れる事が出来るようになり、それが儀式の始まりだという。


もちろん、1000年も前の事だ、どこまで本当で、どこまで作り話かは分からないけど、俺達を襲ったあの化け物は……山賊に殺されたやつなのか。


そして、最後はこう締めくくられていた。







「お父さん、お母さん、お兄ちゃん。私の分まで生きてください」