食人姫

こいつはやばい。


まさか、俺達が化け物の事について調べていたから出てきたのか?


谷の人間じゃない……そして、生きてもいない。


それが分かったのは、少女の首から血が流れていたから。


不自然に、着物の腹部が膨れている事も分かる。


こいつは……あの化け物と同じなのか?










いや……襲ってくる気配がない。


あの化け物なら、こんな場所にいる俺達を、あっと言う間に食い殺せるはずなのに。


だけど、それでも恐ろしい事に変わりはない。


恐怖で身体中から汗が噴き出しているのが分かる。


喉は渇き、金縛りにあったかのように身体が動かない。


そんな俺にはおかまいなしに、少女は俺に向かって歩を進める。


幽霊は足がないとか思っていたけど、血塗れになった足がはっきりと見える。


歩くたび、ポタポタと流れ落ちる血。


床に落ちた瞬間弾けて消えて、その跡は残らない。


不気味な威圧感と悲しみが迫ってくるようで……息も出来なくなった俺に、早送りでもしているかのような速度で急激に接近した幽霊は……白い顔で俺を見上げて、ポツリと呟いたのだ。















「私ハ そこニ イる」