食人姫

皆の食事が終わり、後片付けをしている光の背中を見ながら俺は考えていた。


もしかして、俺や哲也が知らないのは、知られるとまずい理由でもあるんじゃないかと。


だけど、その理由を、光や巫女である麻里絵は知っている。


どうして何も言ってくれない。


「ねえ、早く遊びに行こうよー。哲っちゃんの家でもどこでも良いからさ。皆いるのに何もしないなんて時間がもったいないよ」


畳の上に寝転がり、足をバタバタさせて由奈が愚痴をこぼす。


「まず着替えなきゃな。俺、昨日の服のままだしさ」


風呂も入らずに寝たから、シャワーでも浴びたいところだ。


「そうだね。大輔の準備があるから、その間に由奈もお風呂に入ったらどう?」


食器を洗い終えて、エプロンを取りながら俺達に笑顔を向ける光は、女の子そのもの。


何も知らないやつが見たら、ナンパされるかもしれないくらいに可愛い。


「あーもう、そういう事は早く言ってよ。じゃあ、準備するからさっさと行って来なよ」


本当に性別が逆だよな、この兄妹は。


だけど、これは光に話を聞くチャンスだ。


「あ、ちょっと光も来てくれよ。ほら、親に説明するのがさ……」


「え?あ、うん。良いよ」


本当の理由はそれではないけど、光は笑顔で答えてくれた。