食人姫

俺の家は光の家から200メートルほど離れた所にある。


おじさんが一緒にいれば大丈夫だとは思うけど、今は少しでも危険は避けるべきだと言う事で、今晩は光の家に泊めてもらう事になった。


すぐそこだから帰れると強がってみたものの……あんな化け物を目の当たりにして、食われそうになった俺の身体は正直で。


光の家に着くなり、玄関先で膝から崩れ落ちて立ち上がれなかった。


儀式……巫女……そして化け物。


俺の知らない谷の秘密があって、それに俺は殺されそうになった。


もう、何も知らないでは済まされない状況になっているのだと、感じずにはいられなかった。


「あのね、さっきの化け物に出会ってしまったら、仏間で寝なければいけないらしいんだ。ご先祖様に守ってもらう為にね」


そう言って運ばれたのは光の家の仏間。


おばさんが布団の準備をしてくれていて、なぜか二つ並べて敷いている。


「おばちゃん、ありがとう。光は自分の部屋で寝れば良いのに。子供じゃないんだし、俺一人でも……」


と、女の子みたいな外見の光に遠慮してみせたけど……。


「何言ってるの?大輔と由奈がここで寝るんだよ?だってそうでしょ?化け物に襲われたのは二人なんだから」