食人姫

これは、歴代の巫女の映像を見た俺の考えだ。


本当にそうなのか、違うのかは分からないけれど、感覚を信じたい。


だとすると、巫女達が望んでいる事は何だ?


どうして谷の儀式賛成派は、守るべき儀式未経験者を殺してまで進めようとするんだ?


ここの確執が、最大のポイントのような気がする。


呪い師の怨念とか、巫女の怨念なんてどうでも良い。


怨念の正体が何であれ、化け物に食われるという事に変わりはないのだから。


実香に……巫女達に、何かを託されたような気分だ。


谷の人間として、俺は何をしなければいけないのか。


殴られ続けて、今にも死にそうな俺が出来る事は何かを、必死に考えた。











だけど……思い浮かぶ事は、どれもテレビの中のスーパーヒーローしか出来ないような事ばかりで、現実的とは言い難い。


俺を縛っている縄からも抜け出せないのに、一体何が出来ると言うんだ。


そんな事を考えながら、ゆっくりと顔を上げると……社務所から、警護達がぞろぞろと出て来た。


その中の二人、哲也の親父さんと……俺の父さんが、こちらに向かって来る。


一体何が始まるのか……その答えは、聞かなくても察知する事が出来た。