食人姫

白く、幼いながらも整った顔が、不気味に黒く変化していく。


目はくぼみ、頬は痩せこけ、俺が持っている指のように干からびて行ったのだ。


「うっ……」


小さく、かすれた声で唸るのが精一杯。


恐怖を感じないわけじゃないけど、死にかけている俺は、大して驚きを感じなかった。




「私の指を持っているあなたには、感じる事が出来るはず。化け物の正体を……呪い師の怨念と思われていた物が何だったのかを」





ミイラのような姿になった小谷実香がそう言い、俺に手をかざすと、頭の中に鮮明に映像が浮かび上がって来た。


これは……何なんだ。












「実香、俺とこの谷を出よう」


「お前が巫女様とは、わしも鼻が高い」


「何もこんな時に儀式だなんて」


「とうとう化け物が現れたらしい」


「お前がいなくなったら……」


「なんで女に生ま……」


「あんたが……」


「お前が……」


「どうして」
「おらが」
「お前が」
「谷を」
「死ぬ」
「死ぬな」
「呪い」
「怨念」
「いやだ」
「助けて」
「死にたくない」
「生きたい」









「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」













頭が破裂しそうなほどの、映像の高速再生に、俺は気が狂ってしまいそうなほどの吐き気に襲われた。


そして最後に見た映像は……。