食人姫

なんだか……さっきまでと雰囲気が違う。


蔑むような目で俺を見下ろし、まるで怒っているかのようで。


だけど、その表情が異常だと感じた俺は、言われるままに立ち上がり、哲也の後に付いて部屋を出た。


階段を下り、玄関を出て、哲也は家の壁にもたれて腰を下ろしてタバコを吸った。


「なんだよ、表に出ろってさ。あいつらに聞かせたくない話でもあるのか?」


中学生の頃とは、身長も雰囲気も変わってしまった哲也が、何をしようとしているのかが分からない。


さっきまで、皆と楽しく話をしていたのに、帰って来てから何か変だ。


「なあ大輔。お前、麻里絵とまだ続いてんのか?」


突然の質問に、俺は戸惑った。


高校に進学してから、連絡も取らずに今日まで1年以上、会ってもいなかった。


会えるかな……なんて考えていたくらいで、迎えに来てくれた時は、麻里絵の中ではまだ俺は彼氏だったのかなと、思っていたくらいだ。


「……まあ、それはどうでも良いけどよ。お前、麻里絵を好きなんだろ?」


哲也は何を言おうとしているんだろう。


「……好きだけど、何が言いたいんだ?」


どういうつもりでそんな事を聞いているのか、それだけなら別に、外に出なくても良かったンじゃないかと思っていた時、哲也が俺を見て口を開いた。










「麻里絵……死ぬぞ」