食人姫

「哲也、ここは大輔の言う通り一旦離れた方が良いよ?どう見ても入れそうにないから」


「バカかお前らは。離れた場所でどうやって隙を突くんだよ。近くにいなけりゃそれも分かんねぇ
んだぞ?」


そう言われると確かにそうかもしれない。


少し離れた場所で出来る事と言えば、警護が疲れるのを待つくらいで、それもいつになるかは分からない。


哲也の言う通り、隙を突くつもりなら、近くで待機していた方が良いかもしれないな。


「分かった、だったら場所を変えよう。ここは本殿の裏手だし、少しでも入り口に近い方が良いからな」


「大輔まで。もう、どうなっても知らないからね」


俺達の意見が分かれた時は、こんな感じで多数決になる。


それで意見が多い方について行くのだ。


昼間に移動したのと同じ経路を辿って、本殿の左側に移動した俺達は、ほんの僅かな隙を見逃さないようにと、警護に目を向けた。


「……警護が昼間と違う。やっぱり交代してるんだな」


一人がずっと同じ場所を警備しているはずはないか。


神輿の後を、結構な数の警護がついて来ていたから、交代するのは当然なんだろうな。


そうだとすると……長期戦になる事は容易に想像出来た。