食人姫

山の上にある神社が明るい。


あそこには麻里絵だけじゃなく、谷の大人達がいる。


見付からずに、何とかして本殿の中に入って、麻里絵に実香の指を渡す。


それさえ出来れば、最悪大人達に捕まっても問題ない。


無抵抗なら殺される事はないだろうし。


まあ、本殿の中に入るというのが一番難しいと思うけど。


「俺が昼間調べた時は、本殿の角に警護が配置されてたな。ここで見付かったら殺される可能性があるよな」


「何してるかと思ったら、そんな無茶してたのかよ。大輔も随分クレイジーだよな」


哲也には言われたくないけど、この際それはどうでも良い。


確かに昼間は、化け物がいない分、警護は神経を尖らせていただろう。


そういう点では、夜の闇に紛れて忍び込む方がリスクは格段に下がる。


化け物に迫られて、改めてその恐ろしさと危険性を認識する事が出来た。


儀式を終わらせていない人間は、神社に近付く前に食われてしまうだろう。


「今は警戒は薄いかもしれないね。人はいたとしても、化け物が食ってくれると思ってるかもしれないからさ」


俺と光は同じ意見だ。


後は、もう一度現場を見てから考える。