食人姫

「大輔、お前……こんな事が出来るならもっと早くに渡せよ!三人で固まって動く必要なかったじゃねえかよ!」


「え!?ああ、ごめん……」


何で怒られてるんだ俺は。


そもそも一人で行く予定だったから言ってなかっただけなのに。


「まあ良いけどよ。光、お前も持ってろ」


そう言うと哲也は、俺が渡した指をパキッと、さらに折り、片方を光に渡した。


あー……折っちゃったよ。


折れても効果があるのか気にしていた俺が間抜けに見えるほど、あっさりやっちゃったな。


「大輔、一人でも大丈夫?不安なら僕が一緒にいてあげるよ?」


「い、いや、大丈夫。一人でゆっくり行くから、哲也と光は先に行っててくれ」


こんな暗闇の山の中で、一人で動かなければならないのは心細いけど、一人の方が二人を気にしなくて良いだけ動きやすいかな。


「じゃあよ、俺達は先に行ってるから、お前はゆっくり来いよ。人の心配出来る状況じゃねえしな」


そう言い終わると同時に斜面を駆けて、次の木へと移る哲也。


行く手を塞いでいた化け物も、哲也を避けるように消えて、指が力を発揮しているのが分かる。


哲也、光と移動を始めて、俺はその後を慎重に移動を始めた。