食人姫

意を決して登り出して5分。


俺達はほんの数メートル登った所で、足止めを食らうことになった。


予想していなかったわけじゃない。


ただ、思ったよりも早くそれをされたという感じだ。


大きな木の幹の根元で、三人で次に移動する木を照らす。


だが、その光を遮るように……化け物が俺達の移動経路に立っていたのだ。


「おいおい、これどうすれば良いんだよ。纏まって先に進めねぇと食われちまうぞ」


三人纏まって移動すれば良い。


だけど、次の木は少し細くて、三人同時に足場にするには無理がある。


「大輔が先に行って、僕達がその後に付いて行くしかないよね。僕と哲也が先に行ったら食われちゃうだけだし」


え、俺!?


まあ、確かに指を持ってるからそうなんだろうけど、それだと俺が先頭じゃなくても良い気がする。


「じゃ、じゃあ、哲也が指持っておくか?」


ここに来て、少し弱気になる俺。


麻里絵を助けたいという気持ちは強いけど、苦手な山の移動という事で腰が引けている。


「はぁ?アホか。お前が俺のスピードに付いて来れるのかよ。遅いやつに合わせねえとダメだろ」


こうなりそうだったら、一人で来たかったんだよ。