食人姫

そう言って部屋を出た哲也を見送り、俺達は話を再開した。


そろそろ話題が尽きたかなと思っても、不思議な事にいくらでも話が出来る。


「ところでよ、明後日の儀式ってマジで何の儀式なんだ?谷の人間が皆戻って来るほど大きな祭りのわりに、準備とか何もしてないみたいだけど」


それは俺も気になってた。


この谷から学校に通ってる源太が知らないんだから、街にいた俺が知るはずがないよな。


「んー、私も詳しくは知らないんだよね。麻里絵も巫女に選ばれたからって嬉しくなさそうだし、未来ちゃんも夏美ちゃんも、元気なかったよね。ついでにお兄ちゃんもさ」


「ガサツな由奈と違ってよ、女の子はデリケートなんだよ。未来ちゃんも夏美ちゃんも巫女に選ばれなかったから悔しくて、麻里絵はそんな二人に気付いて喜べなかったんだろ。やっべ、名推理じゃね?これ」


確かにそう考えると、元気がなかったのは説明がつく……かな?


「いやいや、夏美はともかく、未来は由奈と同じくらいガサツだぞ?あいつが落ち込んでる所なんて見たことないし」


俺がそう言うと、由奈はチッと舌打ちをして俺を睨み付ける。