食人姫

「え?何?付いて来るつもりか?」


「え?ダメなの?」


いや、ダメじゃないけどさ……一人で動いた方がやりやすいかなと思っていたから、由奈が来るのは完全に想定外だ。


哲也にも言わずに行こうとしてたから。


「多分、面白くないぞ?家にいた方が良かったと思うくらいに」


「何よ何よ、そんなに私と行きたくないっての!?良いもんっ!勝手に付いて行くんだから」


まあ、こんなやつだよ由奈は。


あまり騒がれて、光や哲也なんかが俺達に気付いてもなんだしな。


「分かったよ。その代わり静かにな。誰にも言わずに行くつもりだったんだから」


「行くって……やっぱり神社に行くの?鳥居の所で斬られちゃうよ?」


再び歩き出した俺の後ろで、小さな声で尋ねる由奈。


さすがにそれは無理だろ。


いくら何でも、刀を持ってる人に近寄りたくはないから。


「違うって。由奈は覚えてないか?鳥居からじゃなくて、別の場所から神社に行けたの」


随分昔の事だからな、由奈に聞いても分からないだろうけど。


「そこって……お地蔵さんがあるところ?大輔君、足が滑ってドロドロになってたよね」


覚えてないと思ってたのに……もしかして俺って、記憶力ないのか?