食人姫










「ダメだ、儀式が終わるまで、巫女には会わせられねえ」








神社の前、勝浩の亡骸が引っ掛かっていた鳥居の所で、警護の二人が俺達の前に立ちはだかった。


「あ?なんでだよ。麻里絵は兄妹みてぇなもんだから顔見るくらい良いだろうが!」


やっぱり、神社にさえ入る事が出来ない。


「良いか、お前ら。ここをくぐった瞬間から、もう麻里絵はいなくなった。あれは、谷を救ってくれる巫女様なんだよ。もう、誰も近付いてはいけないんだ」


さも当然のように、冷たく警護が俺達にそう言い放った。


麻里絵が死ぬ事すら、この人達はなんとも思っていないのか、その目は俺達を蔑んでいるようだ。


「無理矢理通るって言ったらどうするよ?」


その言葉に納得していないのだろう。


哲也が眉間にシワを寄せて、警護に詰め寄る。


いきなり殴りかからないようにと、慌てて俺と源太が止めに入るけど……力が強くて押さえ切れない。


だけど、そんな哲也も、警護の次の一言でピタリと動きを止めた。













「その時は……全員斬り捨てるだけだ。それが俺達の仕事だからな」












そう言って、腰に帯びている刀を俺達に見せる。


さすがに……刀を見せてそう言われたら、哲也も止まらざるを得なかったようだ。