食人姫

その後、俺達全員が集まらなかった一年以上の空白を埋めるかのように、それぞれの今の生活を話し始めた。


俺は街の高校で野球部に入って、レギュラーを目指して頑張っているという平凡なものに対し、哲也は強烈だった。


入学早々金髪が先輩の目に付き、10人からボコボコにされたけど、その数日後、全員を病院送りにしたとか。


そして三週間の停学。


まあ、一緒の高校の直人がニヤニヤしているから、話を盛っているのだろうけれど。


その直人はというと、哲也とは正反対の真面目な生活態度。


源太や勝浩は、まだ高校に入りたてで、中学校にいた頃とあまり変わらない。



問題は……女子の方だった。


さっきの話から、なんだか皆元気がない。


男であるはずの光でさえ、他の女子と同じようにうつむき気味で、男子の話に愛想笑いをする程度。


由奈だけが、男子の一人であるかのように俺達の話を笑いながら聞いていた。


何か変だなと感じながらも、この時の俺は、麻里絵の隣にいられる事が嬉しくて、気付かないフリをしていたかもしれない。


もしもこの時、どうして女子は元気がないのかを聞き出していれば……運命は、少しは良い方向に進んでいたのかもしれない。