食人姫

それから、俺達は日中の疲れと、死の恐怖から解き放たれた安心感を一気に感じた俺達は、知らない間に眠っていた。


眠る直前まで話をしていたけど、何を話したか、最後の方は覚えていない。


そして……。
















「お爺!ふ、二人とも食われてません!」


その声で目を覚ました俺達は、埃だらけの小屋の中を見渡し、顔を見合わせた。


もう朝になったのか……小屋の戸を開けたのは、谷の商店の親父。


「俺達が死んでるのを確認しに来やがったのかよ!生きてて良かったの言葉もねえのか!?」


起き上がり、格子を揺すりながら商店の親父を怒鳴りつける哲也。


俺も、親父に気付かれないように木箱をポケットに戻し、哲也の横に並んだ。


「食われておらん?一体どういう事じゃい。この二人は儀式も済ませて……ほうほう、本当に生きとるわ」


杖を突きながら、賛成派の大人達を引き連れて、哲也の爺ちゃんが小屋の入り口から俺達を眺めて不思議そうな表情を浮かべる。


「ジジイ……悪かったな、死んでなくてよ!」


「哲、お前ら何で食われておらんのじゃ?大人しく食われておれば、わしらの手間も省けたのにのぅ」


その言葉と共に浮かべた不気味な笑顔に、俺は化け物以上の恐怖を感じた。