食人姫

哲也が言った通り、一番向こうの家に到着し、斜め向かいの家にもなんとか辿り着いた俺達は、その敷地内から麻里絵の部屋のを見上げていた。


部屋の電気は消えている……けど、真っ暗ってわけじゃない。


微かに明るくて、何かしているのだろう。


「麻里絵、おーい」


他の人に気付かれるわけにはいかないと、小声で呼び掛けるけど……それだと麻里絵にも聞こえないよな。


「馬鹿か大輔、これを投げろ」


そう言って哲也が渡してくれたのは小石。


……なんか、手口が古臭いな。


なんて思ったけど、それが確実な気がする。


小石を受け取り、窓を割らない程度の力で放り投げる。


コツンと窓が小石を弾き、しばらくすると……麻里絵がその姿を見せた。


パジャマ姿で、不思議そうに外を見て……隣の家の庭にいる俺達に気付いて慌てた様子で窓を開けた。


「大輔君!?それに哲っちゃんも……どうしたの、こんな時間に」


なんか……思ったより元気そうだな。


今日、儀式をするって思えないくらいに。


「聞きたい事があって来たんだ。それと、ちょっと事情があって帰れないから泊めてくれないかな?」


なんか……凄く情けないことを言ってるような気がする。