食人姫

嘘をつくな……とか言われるかと思ったけど、そうでもないようで。


俺達が集会所の方を向くと、爺ちゃんはゆっくり銃を下ろして、自身も腰を下ろした。


「な、何だよ。聞けば教えてくれたんじゃないか……」


ハハッと引きつった笑みを浮かべて、哲也と直人に合わせるように俺も呟く。


でも……哲也が言っていた殺気というのが、開けられた雨戸の隙間から漏れているような気がして、嫌な汗が止まらない。


爺ちゃんに促されるままに近付くと、タバコに火を点けてそれを俺達に向け、反対派に見せたような鋭い眼光を俺達に向けたのだ。


「……じゃが、まだ早いわ。儀式も済んどらんひよっこに、教えてやる事など何もないわ。33年後に出直すんじゃな」


突然、突き放されるように言われたその言葉に、哲也の表情が見る見る変わって行く。


「それじゃあ遅いんだよ!!今知らなかったら間に……」


「哲也!!」


それ以上言えば、俺達も殺されかねない。


勝浩の……自分の息子の亡骸を前にしても、全く取り乱さなかった親父さんのように、爺ちゃんは孫と言えども哲也を殺す。


そう思ったから、俺は哲也の腕を掴んでそれ以上言うのを止めさせた。