食人姫

「もしもさっきみたいに反対派の連中が来たらどうするんです?護衛は鳥居に二人と、社殿に四人。単純に暴力に訴えられたら勝てませんよ」


確かに、何人も食われたとは言え、反対派は二人程度で防げるような人数ではない。


固まってやって来られれば、二人の護衛くらいあっという間に突破出来てしまうぞ。


でもそれは、俺達にとっても好都合だ。


反対派に紛れて突破出来れば、強引にでも麻里絵を救い出す事が出来るから。


化け物を鎮める事は出来ないかもしれないけど、それは後で考える。


全ての事を知らない俺達は、知り得た事に対しての対策を一つずつ練っていくしかないのだ。


「なあに、鳥居で止めれなくとも、社殿で止めればええ。巫女さえ無事なら問題なしじゃ」


「そんな殺生な」


「冗談、冗談じゃ。また銃で脅してやればええ。なんなら、何人か殺してやったらええわ。化け物が遠慮なく食ってくれるじゃろうて」


哲也の爺ちゃんの笑い声が聞こえる。


同じ谷の人間を、儀式の賛成反対一つでこうも簡単に殺せるのか。


あんなに仲が良い人達だったのに……あれはただの建前だったのかと、凄く残念な気持ちになった。