食人姫

とりあえず、現段階では直人と源太は敵というわけじゃない。


儀式でどんな事をするのか、この中にはいない。


だとすると……。



「誰も知らねえなら、聞くしかねえよな。あそこにいる誰かは、絶対に知ってるだろうしな」


いつの間にかタバコを吸っていて、少しは落ち着いた様子で哲也が窓を指差した。


あそことは、間違いなく集会所の事だろう。


反対派がいなくなって、静けさを取り戻した窓の外。


「確かにそうかもしれないけど、教えてくれって言って教えてくれるかな?儀式に参加するのは一部の大人だけってお爺ちゃんから聞いたような気がするよ」


「つまり、儀式が行われても、ほとんどの人間はそれを見られないってわけか」


光の言葉に、哲也が返事をする。


ますますその内容を知りたくなって来た。


「僕達が知るべきは、まずそこなのかもね。麻里絵を助けられるかどうかは、それ次第だと思う」


直人の言葉で、タバコを灰皿に押し付けた哲也は、首をポキポキと鳴らしながら立ち上がった。


「よし、じゃあ聞きに行くか。俺と大輔、後……直人、テメェも付いて来い」


俺と直人を指差して、さっさと部屋を出て行った哲也を見て、直人は「どうして僕が」というような表情を浮かべていたけど、俺は誰が来ても良かったから、哲也の後を追って部屋を出た。