食人姫

何もしなくても腹は減る。


光と源太が作ったおにぎりを食べながら、俺は窓の外を見て、麻里絵の事を考えていた。


儀式ってどんな事をするんだろう。


巫女はどうやってあんな化け物を鎮めるというのだろう。


命を落とす危険な儀式を前に、麻里絵は今何を思っているのか。


ノートに想いを綴った小谷実香のように、明日の儀式に備えて何かを書き残していたりするのかな。


そんな事を考えると、悲しくなってしまう。


麻里絵は……死を覚悟しているだろう。


俺よりも年下で、引っ込み思案の女の子。


そんな麻里絵を助けようと、俺達なりに出来る事を探してみたけど……そんな方法は見付けられない。


光が言っていた、人間の代わりに人形を……という手も、あの化け物が相手だと無理だろうな。


この血が憎いと言うのなら、血が通っていない人形なんて無意味だ。


おにぎりを食べながら、化け物の恐怖と戦い、必死に考えてみたけど……結局何も思い浮かばない。


「皆少しは落ち着いたかな?そろそろ僕達がどうすべきか決めたいと思うんだけど」


静まり返った部屋の中で、最初に口を開いたのは直人だった。