「お礼は僕じゃなくて、斉藤君に言わないと。こっちは店長として当たり前のことをしただけだよ。」
「斉藤君に面と向かって言うのは、恥ずかしいので……じゃあそろそろ仕事に戻ります。斉藤君を1人きりにするわけにはいかないし。」
ちょうどタイミング良く、店長のケータイが鳴る。会社から支給されている電話だから、多分、取引先からだ。
店長は、ごめんね、と片手をあげて、ケータイを取り出す。
私は邪魔にならないように、ゆっくりと店内へと戻った。
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