「冷たくねぇよ。」
俺はガタンと下駄箱を閉めた。
びくんっと美由ちゃんの肩が反応したのが分かった。
よく美由ちゃんと寄り道をした公園に着き、いつものベンチに腰を下ろす。
「俺さ……」
「言わなくていいですっ!!!!!」
美由ちゃんは俺の口を両手でふさいだ。
そう言った美由ちゃんの目は、潤んでいて今にも泣き出しそうだった。
「分かってます!!……坂下先輩でしょ?!」
俺は黙って頷いた。
「坂下先輩にも、負けませんって宣戦布告したし、負けないって自信あったんです。……でもいつも先輩は、坂下先輩ばかりで。私のこと、興味ないって分かってたのに……。」
どんどん溢れる涙。
「……なのに、先輩の優しさに漬け込んで本当にごめんなさいっ!!!!」

