「ダイ〜!!」

お昼休み、聞き覚えのある声がした。

「咲希っ!!!!」

パァァッと笑顔に変わるダイ。

あぁ、バカップルめ……。

「ご飯食べよ〜!!」

姉ちゃんは、弁当をぷらぷらと揺らしながら言った。

「待ってなー、今行く!」

ちっ、俺は一人で食うか。

俺はカバンから弁当を取り出した。




「あ、桃さんっ?!」

俺はダイの声にびっくりして、ドアの方へ目を向けた。

「優は来ないのー?」

姉ちゃんの意地悪そうな言い方なんて、今は気にならない。

俺は走って桃さんの元へ向かった。




"ガンっ!!!"

「イッテェ!!!」

急ぎすぎた俺はドアの角で肩を打った。

「バカじゃん。笑 焦りすぎだから。笑」

あーーー!俺の大好きな桃さんの笑顔!!!

「笑った桃さんが一番好きだーー!」

「まじうっさい。」

一瞬にしてむすっとした桃さん。