マイ・プリティーガール



「優じゃん!」


姉ちゃんが振り返って足を止めた。


「何?」


それに続いて振り返った桃さんの目は、いつもよりも冷酷。


もともと、ハッキリした顔をしてるから余計に怖い。




「一緒に帰ろう!!!」



「無理。」


校門へ向かってスタスタ歩き出した桃さん。



「ちょっとー、桃ー?どうしたのよー!」


困った顔を俺に見せて、桃さんを追う姉ちゃん。



なんで、怒ってんだよ……。


分かんねぇ……。






「桃さん待って!!!!」


俺は桃さんの腕を掴んだ。