「ねー、優ちゃんはさ、桃以外の女の子好きになりそうになったりしたことない?」 少し先を歩く桃さんが、振り返って聞いてきた。 「ないね。考えたこともない!!!」 「変わんない気持ちもあるのにねー。不思議。」 そう言うとまたヒールの音を立てて歩き出した。 無理だ……抑えられねぇ。 俺は先を歩く桃さんに、早足で近づく。 「……優ちゃん?!」 おれが突然後ろから抱きしめたから、驚いた声を出す。