妖しがりて寄りてみるに

浴衣の蓮くんは、ため息が出るほどキレイだった。


細い体に浮かび上がった鎖骨。
それを浴衣が包み込むように隠している。


蓮くんは、無言で私の手をつかむと歩きだした。



カランカランと、二人のゲタの音が人通りもまばらな道路に響く。


「たしか、この先に出店が出てて、神社まで通じてるんだ」

近くでヒグラシが鳴いている。


蓮くんと手を繋いでいると、なんだかすごくサミシイ気持ちになる。

もっともっと近づきたくなる。



蓮くんばかり気になって、お祭りどころじゃないみたい。




しばらく歩くと、蓮くんが言ったとおりに出店が出ていた。

やっぱりお祭りの光景をみると、テンションが上がってくる。


「タコ焼きとクレープとかき氷は外せないよね。」

ウキウキしながら蓮くんに言うと、

「フライドポテトもね」

って返ってきた。


なんだか、楽しい!



「チョコバナナクレープとイチゴクレープください!」

クレープ屋さんで勝手に注文する私。


「蓮くんどっちがいい?」

にっこりしながら、私。

「とりあえず、イチゴで。
 結局、両方食べたいんだよね。」

「あったり〜」


クレープを半分コして食べた。


タコ焼きも半分コ。


思ってもみたかった、蓮くんとの楽しい時間。


神社の階段の下のかき氷屋さんで、練乳たっぷりのイチゴのかき氷を買った。


それを持って、神社の階段をあがる。

ちょうちんの明かりが浮かび上がって、蓮くんの顔を妖しく照らした。