妖しがりて寄りてみるに


「行こうか」

謙一郎くんは彼女の手を繋いで、歩きだした。

「あれ?従姉妹ちゃんは?」

「あいつは別の待ち合わせだから」

「そっかぁ〜」

特別嬉しそうな声で、結衣ちゃんは返事をした。

わかりやすい子。


私も、篤くんといたとき、あんなだったのかも。



じゃあ、蓮くんといる時の私は?


なんだか、いつも振り回されてるだけで、自分がわかんなくなっちゃう感じ。

いつもいっぱいいっぱいになってしまう。


素の私って行ったら、そうなのかもしれないけど…



うつむいて、ゲタで砂利をなでていると、目の前に誰か立った。

見上げると、もちろん蓮くんだった。