私の知らない男の子がいた。
男の子はくるりとこちらを向くと
顔を伏し目にしながら

「授業、違う教室だって・・・」
「早く移動した方がいいよ・・・」
「・・・・・・めいこさん。」

「え・・・クラス一緒?」
「だだだだだ誰???」
「名前覚えてなくてごめんなさい!」
「わわわ!初めて男の子と話した」

とパニックになりながら教室に急いだ

授業中も
「さっきのは誰だっけーーー!」

とか考えてた。

ダルい授業が終わり、
ゆうなといつものように帰ってて

「ねえ、ゆうな」
「今日、面白い子がいたんだよ?」

言い終わる前に ゆうなが
目をきらっきらさせながら

「なーに???新しいクラスに
好きな子できたのー?」



予想斜め45°ホームラーーーン!!!



「いやいやいや!!なんか」
「1回も話したことないのに私の名前
覚えてた男の子いてさ」

予想が外れて少しげんなりした
ゆうなは

「ああ、まじか・・・」
と顔をひきつらせて見せた

「だって、私の名前あんまり
覚えてくれる子少ないから余計にさ!
よく分かんなくて・・・」

「まあ、確かにね・・・」

私は、珍しい子もいるんだなー・・・
みたいな事をゆうな と話ながら
いつものように帰っていった。