エリカは遅刻ギリギリの時間になって、やっと教室に入ってきた。
睨む先生をよそにエリカはこっちに笑顔を向けながら、私の斜め後ろの席についた。小さな声でおはよー、と言っている。いつものエリカだ。
チャイムが鳴り、朝のホームルームが始まった。めんどくさい先生の話など誰も聞いちゃいない。
私はエリカにさっきのことを話そうと後ろを向いた。
その時、
「先生!タカハシさんが具合が悪いそうです!保健室まで付き添ってもいいですか?」
え!??
タカハシは私の名字だ。普段は下の名前でミサトって呼ばれているから、一瞬誰のことかわからなかった。
っというより、なんで保健室??
エリカは、混乱している私を立たせ、半ば強引に保健室へと連れて行った。