昼休みになり 俺は自宅へ電話をかけた。
何度か呼び出し音 鳴らしたが
千秋は電話には出なかった。
(何で?出ないんだ?何かあったとか)
何度も何度もかけたが出る事もなく
心配やら苛立ちが交わっていた。
「白石、今夜 一杯行かないか?」
同僚の竹内から飲みに誘われたが
俺は千秋が心配であっさり断った。
「何だ?珍しいな、予定あるの?」
「わりぃ…ちょっと…っつか
体調 悪いから早退させてもらうな」
咄嗟に嘘をついて 俺は会社を早退して
自宅へ帰った。
自宅へ帰ると鍵が閉まっていた。
(そっか、朝 チイに鍵渡してたんだ)
チャイムを鳴らしても千秋は
出て来なかった。
(何で出て来ないんだよ…)
自宅に電話をかけたが応対もなく
ドアをドンドン叩いた。
「渉…えっ?仕事って こんな早く帰って来るの?」
背後からの千秋の声に
ホッと胸をなでおろした。
「ったく…何処 行ってたんだよ…電話も出ないし…心配かけるなよ」
「買い物…後、これ…」
千秋は鍵を2個 ちらつかせた。
「昼からずっと買い物かよ?」
「違うよ…」
「じゃあ?何で電話に出ないんだ?」
「だって…出て良いかわかんないし…
非通知だったし…渉の携帯って
分かったら出てたけど…」
「そっか…非通知設定なってたのか…
悪かった 連絡取れないから…
心配になって…」
