「今みたいに、励ましてきたんでしょ?…兄貴のこと」

「励ます?」

「メールを覗いちゃニヤニヤしてたよ…いつからか、全然、着信音が鳴らなくなったけど。」

「あのさぁ、」

「今じゃモテモテみたいだよん。」

「べ、別に…そんなこと、あたしは何にも」

「さぁてと、泳いでこよっと。」

「ちょっと!…」


一言残して、
逃げるように去っていく慶太を、目で追いながら

(絶対、何か知ってるんだ。なんか、あの子苦手だな…)

一段と、警戒する琴乃だった。


その帰り道
琴乃と紺野が歩いていると

ひょっこり慶太も入ってきた。


さっきのこともあって、
あまり、話に加わらないようにしていた琴乃に

「どしたの、琴乃ちゃん?」

紺野が話しかける。


「ゲームのこと、あんま知らないんだもん。」

「じゃあ、琴乃ちゃんにも分かる話しを…」


そんな時

「なんかさ、紺野君と琴乃さんて、仲良いね。」と

慶太の言葉に、二人は声を揃えて言った。


「仲良くナイよ!」


「あはは、息もピッタリだ!」

「やめてよ〜、こんなヤツ〜!」

「うわ、ヒデ〜よ琴乃ちゃん。俺、今晩、眠れねー」