慶太が、こうして
仲間と、ふざけ合ったり、
時間があれば、サーフィンをしていた頃、


日本代表圏内にいる駿祐は、
いよいよ、
日本選手権兼オリンピックの代表選考会に向け、
全力を注いでいた。



そんなある日、
琴乃の携帯にメールが届き…


「!」


それは、駿祐からのものだったが、

その文面は、今までの駿祐からのものとは違って、
なんの挨拶もなく始まり、
ぎっしりと文字が並んでいた。



『あのクラス会で、琴が慶太と帰って行く姿を見た時、ふつふつと悔しさが込み上げてきて、それをバネに俺は、ここまで頑張ってこれた。
前に電話をくれた時、あんな態度とって悪かった。
俺のことはもう、同情だけでしかないのかと思ったら、ついカチンときたんだ。
慶太とのことを紺野から聞いた時、すぐにでも電話したかったけど、やっぱりそれは出来なかった。
ムシがよすぎると思ったから。
でも、俺の名前を耳にしていれば、俺のこと忘れたくても、思い出さずにいられないだろうと、それを糧に頑張った。
今の俺があるのも、琴のお陰だと思ってる。
ありがとう。
今日の選考会、テレビで中継されるから、視ててくれないか?
全身で、感謝の気持ちを表すつもりだから。』…