駿祐との進展も、浮いた話も聞かない琴乃は、
今、ちゃんと笑うことが出来ているのか…?


慶太は、正月に駿祐が戻ったら、蹴仕掛けてやるくらいの気持ちでいた。

でも、今年にかぎって、駿祐は戻らなかった。

シーズンはオフだというのに、今年に賭けている駿祐は、
琴乃とのことを知り、慶太と会うのが面倒だったのか、
電話で挨拶を済ませてきたと、親から聞かされた。



そして、あっという間に卒業の季節はやってきた。


が、そのまま大学に進む慶太は、あまり実感がない。

そんな時、
菊地が、彼女の交友関係を使って、今年の卒業アルバムを入手してきた。


慶太は、内心ドキドキしながら、
慎重に、1ページずつ、ひとコマずつ、あの娘を探し見た。

が、

その中には、間違いなく、あの娘はいなかった。


「ってことは…1っこ下か?」

「たぶん。2歳も下には見えなかったもんなぁ。つか、そんな年下に、こんな魅せ付けられてたなんてことだったら、俺、悲しくね?」

「ただの欲求不満の変態だな。」

「勘弁してくれよ〜!こうなったら意地でも探して、正体あばいてやる。」

「よっ!いいぞ変態!」

「うるせ!」

「頑張れ!未来のストーカー!」

「…おまえ、殺されたいの?」

「お〜。益々犯罪のかおりが…痛って〜!」

「新しい関節技…覚えたとこ…だったんだよ!こんにゃろ!」